サラリーマン生活から転身。新橋駅前に会津の家庭料理、郷土料理の店を始めた。
元明治大学漕艇部出身だけある大きなガタイ。無口で、どこか無骨に見える男が出す手料理は、子どもの頃から母親に食べさせてもらった、会津の家庭料理や郷土料理。くじら汁、棒ダラ、にしんの酢漬け、こづゆ、馬刺し…。「これしか料理は知らねぇから」といいながら、食材を会津から仕入、店名に会津名産の高級柿の名を付けたのは、会津への思い、母の手料理への感謝の思いがさせている。
日本酒は、会津中将のみ。大吟醸から純米。季節限定品まで、会津中将すべての酒が楽しめる。男が惚れた一番の酒。それしか出さない。これも会津もんらしいこだわりだ。
店主ひとりで切り盛りする店は、いつもほぼ満員。予約がいる。新橋の一角で、時代と共に変わる街の風景と人をみつめながら、時代の流れに左右されず、変わらない姿がいまも愛されている。現役の大学漕艇部の若い学生やOBも通う。
会津ばかりにこだわっているように見えるが、福島のためならと、県の事業にも積極的に参加している。無骨な風貌だが、時折見せる、笑顔がいい。